峠歩きシリーズ 野栗峠〜オバンドウ峠

期 日  2013年2月11日
参加者 CL椛澤 他5名
25000地形図「両神山・神ヶ原」

コースタイム;野栗入口P7:40−野栗峠9:25−明家10:55〜11:45−間物12:15−明家13:20−野栗峠14:20−野栗15:20

国道299号線上野村村営のピィラせせらぎ手前の新要橋を野栗集落方面へ入ると旧道に架かる橋があり、その手前に駐車場が有った。トイレ完備。
此処から歩く事にして駐車させていただいた。
野栗沢方面に向かうとすぐ、寶蔵寺が左手にあり、奥まったところにお寺は有りそうだった。遠くから見た感じでは、大きな枝垂れ桜有るようで、咲けば見事だろうと話しながら先を行く。
すると馬頭観音の石塔がどっしりとしていた。
曲がり角にある石標

その昔埼玉へは此処から野栗峠、明家、間物を通って志賀坂峠を越えたそうだ。
その入口の石の道しるべが立っている。

曰く左、明家、間物、ヲ経テ埼玉県秩父郡三田川村小鹿野ニ至ル、と刻まれていた。


曰く右、野栗沢ヲ経テ埼玉県秩父鉱山、中津川、山吹谷ニ至ル
こちらの面は御成婚記念
こちらは大正15年4月25日
石標を左折して民家の間を行くと、焚火をしていたお爺ちゃんが居たので、挨拶をすると野栗峠への旧道を親切に教えていただいた。黒沢 優(まさる)さんと云う大きな家の人だった。

黒沢さんによると画面中央の石垣のところを右に曲がって行くのだそうだ。
なるほど!歩いて見たらその通りであった。
最初は心細い道では有ったがだんだん旧道らしい良い道になって来た。
振り返るともう野栗の集落は眼下になっていて、微かに朝餉の準備の煙が棚引く長閑な風景が広がっていた。
黒沢さんの言うとおりイノシシ避けの電線が通せんぼをしていた。
でも三本だけ外せる仕掛けになっていて通る事が出来た。

その先は車道。
車道は突っ切る様に旧道が見えるのでそれを行く。
少し行くと又車道に出るが、紅い矢印のところを山に入る。
歩き易い道が続く。
すると今度は石祠が建っていた。
横を見ると享和四年と刻まれていたので、1804年、江戸時代後期のようだ。
石祠の先は車道、ここはしばらく車道を行く。
道が左カーブする所からまた山道に入った。
すると「南無地蔵大菩薩」と刻まれた右横に「右ちちぶみち?」左側に「左山  ?」と刻まれていた。
更に50m先にとっても可愛らしい馬頭観音があった。
ここで一旦車道に出てまた旧道に入る。
ここのすぐ下に車道が通っている。
日影は雪が残っている。
最後に少し急登を登ると野栗峠で有った。
錫杖を持っていないがお地蔵様かな?

明治17年の秋秩父事件が勃発するが、その前の9月30日の夜何者かが「借金のあるものは10月1日に野栗峠へ出でよ、さもなくば焼き払う」等と記した「火札」神流川沿いの村々に一斉に張られたという。
その時、このお地蔵さまは黙って見ていたに違いない。
目印の標識を取り付けた。
峠の下に車道が通っているが、我々は此処を左に下りる道を下るのである。

下る個所を見つけるのが大変かと思っていたら、うっかり北に向かって歩いてしまい、気が付いて戻ったら、峠の直下に下る道は有ったのだ。
斜面が崩壊していて注意して歩かないと谷底まで真っ逆さまの箇所が有った。
また北面なので雪が解けずに残っていて、滑って危ない個所もあり、お助けロープを二本繋いで張ったりももして無事通過した。
ようやく下りきったところは烏頭沢林道、此処も間違って少し下ってしまい、すぐに修正した。
林道は終わりかと思ったが、しっかりした地図に無い林道が明家まで続いていて良かった。
明家到着。かなり大きな家が二軒並んで建っていた。
廃屋で、入口の扉の壊れて中が見える状態、覗いて見ると家財道具なども残されたままの様にも思えた。
玄関にはこの様な看板が架かっていた。
廃屋の下の方にはこの様な石祠が二体並んで建っていて、丸い窓の中には仏様が見えた。
陽だまりで昼食をとって、これからオバンドウ峠に向かう。
峠まではあっという間。
木造の祠が峠を守っていた。
いちおう標識を設置。
感じのよい峠であった。
オバンドウ峠からは、予想外の急下降。
下りながら、これをこの後登り返すのは大変だな―と思いながら下るのだった。
最後に杉林を抜けると国道に突き当たって間物に到着。
ヘアピンカーブの箇所からは間物の集落が見渡せた。
特に用事も無いのですぐに引き返した。
来た道を忠実にたどって、早くも野栗の集落を見渡せるところまで来た。

野栗では黒沢のおじいちゃんにお礼を言ってから車に戻った。

行は時間がかかったが帰りは早かった。
高崎で解散後、お腹が空いたので、久しぶりにラーメン屋さんに寄った。
大盛り味噌ラーメンに無料のご飯をお代わりして、満腹。
これだけ食えりゃぁまだまだ山には登れるだんべ!と気を良くして家に帰るのだった。
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