日本中央分水嶺シリーズ   牛首峠ー坊主岳
期  日 2015年5月22日.23日(金・土)
参加者 単独
コースタイム;22日 自宅2:00=イイノコ沢5:25=牛首峠6:00〜6:10−1754m手前ビバーク14:20

        23日 ビバーク地点5:25−1782.4三角点7:30−坊主岳14:00〜14:40−イイノコ沢登山口17:05〜17:30=牛首峠18:00=自宅24:00

22日

23日

日本中央分水嶺を群馬県から西方へ伸ばしているが、昨年から牛首峠まででストップ
していた。
今日は待ちに待った実行の日である。web上の情報の少ないこのルートは、どうやら
3日はかかると思われた。ルート上に水は無いので、三日間の水7.8リットルやテント、
食料、等を入れると、なんと2.2kgの重さになっていた。

自宅を2:00am出発、イイノコ沢の坊主岳登山口へ3時間半かけてゲンチャリを
デポしに来た。
道路地図によると19号線から牛首峠間は車両通行不能となっていたが、取り敢えず
県道254に入ってみた。
舗装された道では有ったが、確かにこれではすれ違いが出来ない。
バックが得意なユーザーでないと通らないほうが良いかも。
私は早朝だったので、一台も行合う事は無かった。
ラッキー。
牛首峠脇に広い駐車場?が有るので、その片隅に停めた。
鳥居を通る時これからの三日間の無事を祈りながら通り抜けた。
背中が重いので、意識してユックリ登る。
微かな踏み跡が見えた。
松茸は生えるらしいこの山域は、あちこちに入山禁止の看板があった。
でもその為か、少しの灌木が生えるくらいで、足元は歩き易い。
しかしいきなりの急登には汗が噴き出す。
ピークは次々と現れ、急登は息も絶え絶えだが、写真の様な場所はルンルン。
10:18 1540mの三角点到着二等三角点だった。
早くも4時間以上経っていた。
12:30ごろ初めて、少しだけ展望のあるところにでた。
この写真は乗鞍岳。
あれも分水嶺だと改めて思った。
これは御嶽山らしい。
噴火の被害者に合掌。
歩き易かった分水稜線も1540m三角点からはヤブが深くなっていた。
たまに見える展望に疲れの半分くらいは癒されたかな?
左側の白い嶺は穂高連峰で右の遠く白い嶺は後立山連峰みたい。
穂高連峰をズームアップして見たら槍ヶ岳もクッキリ見えた。
美しい落葉松の林も足元は腰高のクマザサがびっしり。
今日は予定のビバーク地点よりかなり先に歩くことが出来たので、この分なら
明日下山出来るかも?と淡い期待が膨らんだ。
13:34 1725.0の三角点を過ぎ1754mの登り、ヤブが深く、もう此処までと気持ちが
折れたので、何とか張れそうな一畳の平を見つけた。
張り終えて、さて?と思っていた時急にホモサピエンスおじさんが後方から声も無く
訪れて、心臓が停まるかと思うほどビックリした。
出来れば咳払い位して欲しかった。(>_<)
聞けばこの先のピークは贄川城の跡が有るらしいので調べに来た、と言うこと。
もう一人、やはりホモサピエンスおじさんは息も絶え絶え、よたよたしながら前者の後を
追って行った。

テントの下は腐葉土が積もっているらしく、ふわふわして布団を敷いたように気持ち良い。
時間が有るので、コーヒーを飲んだり、たまたま通じた携帯電話のメールに下山報告が
有るのを返事したりして、まったりとした時間を過ごす事が出来た。

                  23日

4:10 昨日の朝も朝焼けが奇麗だったが、今朝も東の空が紅く染まった。

昨日、一日中悩まされたハエにブヨも朝はまだ飛んでいないので
助かる。
昨日はテントの入口を開けるのは一大事だったのだ。
昨日は予定ボバーク地点より3.5km先まで歩いたが、薮に負けて泊まった分けなので、
今朝はヤブ漕ぎから始まる。
ヤブは更に深くなり、これでは到底今日坊主岳迄は歩けない、と気持ちが折れた。
余りのヤブの深さに左(東)へとトラバースした。すると偶然
北緯35°58′15″
東経137°51′25″
で水を発見した。そこには蕾を付けたサクラソウの群落が広がり、咲けば花園になる
だろうと思われる。
しかし、私は二度と此処を訪れることは無いだろう。
残念。
水量は豊富で、きちんと集めれば1分間で2リットルは取れそうだった。
周囲の状況からして、枯れる事は無さそうだが、こればっかりは保障できない。
右の端が水場でその右は笹のヤブ、左側は落葉松林で水の流れに沿ってサクラソウが
生えている。
やっとの思いで登り上げた三角点峰
1782.4m三等三角点
三角点の周りだけ刈り払いました。
いつまで続くかヤブまたヤブ
ヤブの無いところに咲く一輪の花。
地獄に仏とは大げさかな?
掻き分け押し分け

気付いたら、大事な山道具のノコギリが紛失していた。
坊主岳手前1961mピークへ出たら、急に目の前が開けた。
今まで一日半ずーっと樹林帯の中を歩いて来たので、その喜びはひとしおでは無かった。
目の前が坊主岳、その向こうには中央アルプスはまだ残雪を頂いて輝いていた。

 
御嶽山もまじかに聳えていた。 
しかし足元を見るとヤブは続いている。
ほんと、最後まで悩ますヤブだな―。
坊主岳山頂、石祠がこちらを向いてお出迎えしてくれた。
やったー!
これで今日帰れる〜。
三等三角点
御岳信仰の山でしょうか?
御嶽山に向かって祠が建っていた。
後方の尖った山に名称は無い2184m峰でその右肩に見えるのが経ヶ岳。
この後分水嶺は2184峰を通り、経ヶ岳の肩を通って、中央アルプスへと向かうのだ。

南アルプスの一部と中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、上信越の山、浅間山、
霧ヶ峰、美ヶ原、八ヶ岳等枚挙にいとまが無い大展望だった。
それにもまして嬉しかったことは今まで歩いた分水嶺とこれから歩こうとする分水嶺の
壮大な規模を目の当たりに出来た事だった。
山頂から経ヶ岳方面への踏み跡を確認したが見当たらず、がっかりしていたら、下山道を
少し降ったら、この様に刈り払った踏み跡があった。
坊主岳からの下りは真っ逆さまに下り落ちる感じの急下降。
それが延々と続く。
と言う事は次の分水嶺は、この急登を思い荷物を担いで登るのかー!
昨日も咲いていたオトコヨウゾメ、漢字は無い様だが「キミノオトコヨウゾメ」と言う
種もあるらしい。(*^。^*)
小坊主を過ぎてもうすぐ登山口と言う辺りにある祠群
無事下山出来た感謝の気持ちで手を合わせた。
ヤマツツジの向こう側に水色の湖が透けて見えている。奈良井ダム湖
愛チャリは無事待っていてくれた。
エンジン一発始動、休む間もなく飛び乗って、牛首峠へ向かった。
国道19号はトラックがごうごうとうなって通過しているので、ミニバイクは運転が怖い。
ただいま〜。
塩尻峠近くまで来たら遠く北アルプスの空と、水を張った田圃が紅く染まっていた。
途中、食事をしたり、温泉に入ったりして帰宅したのは24:00丁度だった。
往復の走行距離404.4kmだった。
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