i日本中央分水嶺シリーズ  黒岩山ー引馬峠ー馬坂峠

期  日 2015年7月12-14日(日−火)
参加者 CL椛澤 生方呈子 田中精一
タイム;12日 前橋13:50=黒部16:30=馬坂峠17:50=黒部19:10=女夫淵温泉駐車場
     13日 女夫淵温泉駐車場4:50−加仁湯5:05−奥鬼怒トンネル東8:25〜50ートンネル西9:15ートンネル上部登山道合流11:10
         小松湿原水場12:00〜12:50−黒岩分岐13:35−黒岩山14:20−テン場16:00
     14日 テン場4:30−孫兵衛山(南峰)6:15−引馬峠8:30〜8:50引馬山9:20−台倉高山13:25〜13:40−三段田代15:00−
        馬坂峠15:55〜16:15=川又分岐17:10=黒部17:40=女夫淵駐車場18:20=馬坂峠20:20=前橋24:50

12日
午後前橋市内を出発。
日光市内から霧降高原を経由して北アルプスに有るダムと間違えやすい黒部ダムを右折。土呂部から馬坂峠へ向かう。
川又ダムへの分岐迄は舗装道路だが、此処から馬坂峠迄はダートな道となる。
馬坂峠にバイクをデポ。
峠の先に水場が有るはずなので見つけに行ってみたら、草葉の陰に隠れてはいたが、冷たくて美味しい水が湧いていた。
場所が分かりやすい様にピンクテープを付けた。
峠を出発、一路女夫淵へ。
下って県道23号線黒部にくると太陽が沈み、空は茜色に染まった。
13日
女夫淵温泉の駐車場で一夜を明かした我々は、これから八丁の湯から加仁湯へ向かう
加仁湯温泉から奥鬼怒スーパー林道が始まる。この橋を渡って長い林道歩きが始まった。
橋の上から加仁湯を見下ろす。
延々と、だらだらと、単調な林道を行き、日射しが容赦なく我々の体力を削ぎにかかる。
ようやく見えた群馬栃木県境を貫通する奥鬼怒トンネルに到着。
トンネルから吹き出してくる風は冷たく、風下を避けて休憩する贅沢さだった。
トンネルを抜け、群馬側からトンネルの上を目指してヤブ漕ぎ開始。
一部ネマガリダケのヤブが有ったりして手こずったが、休み休み這い上がった。
鬼怒沼から黒岩山を経由して尾瀬沼へ通じる縦走路へ出た時には「ヤッター!」と声が出るほど疲れ切っていた。
縦走路合流点は、図らずも昨年敗退した時に着けて置いたピンクテープの場所だった。
前回は水場迄近いと感じたが、今回は疲労が有るためか、遠く感じた。
誤って通り過ぎない様に、前々回付けて置いた標識が健在で良かった。
小松湿原の水場は、岩の間から滔々と流れだしていて、水場をかたずける手が冷たくて痛いほどだった。
ここで各自3〜4リットルの水を汲み、ずっしりと重くなったザックを背負い、更に先にすすむ。
お馴染、黒岩山の分岐点。
黒岩山山頂は展望が良く、これから歩く分水嶺が見えたが、疲労がたまり、写真を撮るのを忘れてしまった。

黒岩山から先が、山行本来の目的である分水嶺、まだ此処は分水嶺では無いのだ。
心配していた頂稜部のヤブはそれほど深くなくて安心すると同時に、下りは岩場で、もしかすると懸垂下降しなくてはならないか案じたが、それも無く下りきることができた。
計画ではビバークポイントを孫兵衛山の肩付近と決めていたが、疲れているし、時間も押しているので標高1980m付近で適当な場所を見つけて、ここでビバークと決断した。
紅一点のM子氏は、ツェルトで寝てみたいとの希望が叶って喜ぶ。
我々はその横にテントを張った。
14日
昨夜は雨も降らず、今朝は朝露も無く、カッパのお世話にならなくて良かった。
この写真は孫兵衛山肩に有ったテン場適地。

稜線上は相変らずヤブが有ったり、薄かったりの繰り返し。
昨日までは孫兵衛山に寄り道する気持ちが有ったが、今朝は朝からすっかり気持ちまで疲れて、寄り道を諦めた。
せっかく持参した山頂標識を捨てるのは勿体ないので、標高を削り(南峰)と付け足して、孫兵衛山南峰に付けたのだった。
こんな感じ。

この後なだらかな稜線と複雑な地形をしっかり読んで、ヤブを掻き分けながら、次の目標地点であり引馬峠へ向かった。
引馬峠に到着したが、水準点が見つからない、三人で隈なく探す事にした。
すると、最低鞍部より少し東側にピンクのテープを発見、M女史が「有りましたー」と声を挙げた。
行って見ると有りました、二等水準点、本来此処は峠道が通っていたので、その時の名残り。
日本で最高所の水準点らしい。
山部薮人氏の努力によって再び日の目を見る事になった有りがたい水準点である。
記念写真
通る人が見過ごしてしまわない様に、新たにプレートを設置するととともにテープを新しく巻いておいた。
疲れきっている私だが、カメラを向けられると疲れを見せない、情ない私だった。
引馬峠からも相変らずヤブは酷いが、福島県側に逃げながら引馬山に到着。
三等三角点を確認した。
ルート全体に倒木が多く、いちいちそれを避けるので体力が消耗する。
20分歩くと休憩、の繰り返し。
この間写真をあまり撮ることが出来なかった。
仰向けになって休んでいる時上を見たら巨大なダケカンバに思わずシャッターを押した一枚。
引馬山からは顕著なピークも無くアップダウンの繰り返し、ようやく台倉山のピークが見えた時にはとても嬉しかった。
あそこまで頑張れば、登山道が有る!
台倉高山への登りは相当のヤブ漕ぎを覚悟したが、薄いところを拾って行くうちに山頂へ着く事が出来てラッキーだった。
嬉しい三等三角点。
もう此処からはヤブは無い。
Tさんお疲れ様〜
Mちゃんもお疲れ様〜
道が有るって有りがたい。
途中、三段田代と言う湿原が有った。
今回の山行では疲労ばかりでお花を撮る余裕が無かったが、最後の力を振り絞ってコバイケイソウを撮った、大げさかな?。
以外に長くへとへとになって到着した馬坂峠。
峠のトイレにデポした私のミニバイクは健在だった。
早速バイクに飛び乗って女夫淵の向かった。
ダートなのでスピードは出せない、ここは慎重に運転した。
女夫淵温泉駐車場でバイクを車に乗せ直ぐ引き返す。
馬坂峠で待っていた二人を乗せ、ようやく帰途につく。
前橋着いたら14日を回って15日の0:50だった。

分水嶺の厳しい山行はこうして修了。
予定通り無事帰着出来たのが最大の喜びだった。
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