美ヶ原

期  日  2015年9月6日(日)
参加者  CL舩津 SL梶原 会計江積 田所 吉田米 野中 福島ひ 椛澤
コースタイム;焼山登山口7:15−焼山の滝8:40−水石10:20−牧場入口10:40−王ヶ頭11:35〜12:40−焼山登山口15:25

今日は舩津リーダーが百名山最後の1山、美ヶ原を登る。
登山ルートは、最近の山と高原地図「八ヶ岳」には記載の無い焼山沢を遡行するルート。
国道152号線の旧武石村、現在は上田市武石から県道62号線を美ヶ原に向かうと焼山沢があり、ここが登山口で、車は50mほど先に広い場所が有ったのでそこに停めた。

因みに山と高原地図「美ヶ原・霧ヶ峰」と言う青い表紙の地図が1996年までは発行していて、それには載っている。
登山口には大きな案内があるので、見過ごしてしまうことは無いだろう。
入り口付近は夏草が生えていて、あまり歩かれていないような感じだった。
しかし、一歩踏み入れてみると、立派な道があった。
右側の焼山沢の流れは水量が豊富で、段差4mくらいの滝だがごうごうと音を立てて流れ落ちていた。
約8分ほど行くと建物があって、最近まで利用していた形跡があり、朽ち果てているのではない。
その建物からは林道が沢に向かって伸びていた。
オクモミジハグマが夏の名残を思わせる。
林道が終わりとなり、沢を横切るところは大きな石が敷かれていて、激流でも安心して渡れた。
水量の多い沢の音は話声をかき消す程だ。
三分の一を示す標識。
このルートは北面なので全山苔で覆われる快適な道。
焼山の滝は登山道から少し外れたところにあるので寄り道をした。
目視しただけで5段は見えた大きな滝だった。
その滝の右上には糸を垂らしたような、とっても風情のある滝が見られた。
一度に二度楽しめる焼山の滝。
その名の通り沢に咲くサワギク
ヒカリゴケ
ダイモンジソウ
左岸から右岸にわたり返す。かなり上流に来たがまだ水量は多い。
クロクモソウ
傾斜が緩やかになってきて高原が近づいたことを予感させる。
このルート上名所の一つ「水石」
牧場入口まで来た。
私が最も尊敬する尾崎喜八先生は「美ヶ原溶岩台地」と題する詩を書きました。

登りついて不意にひらけた眼前の風景に
しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。
やがて一歩を踏みこんで岩にまたがりながら、
この高さにおけるこの広がりの把握になおもくるしむ。
無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な、
この風景の情緒はただ身にしみるように本源的で、
尋常の尺度にはまるで桁が外れている。

秋が雲の砲煙をどんどん上げて、
空は青と白との眼もさめるだんだら。
物見石の準平原から和田峠のほうへ
一羽の鷲が流れ矢のように落ちて行った。
(尾崎喜八詩文集 2  旅と滞在より)
牧場の中の牧柵の脇を行くと山本小屋からきた道と合流、シオクレ場に到着。
美しの塔が目の前で、この塔の中に前述の尾崎喜八先生の詩が埋め込まれている。
美ヶ原頂上、王ヶ頭にて喜びの舩津リーダー。
百名山達成おめでとうございますー\(^o^)/。
リーダーのHP

記念写真撮影後王ヶ頭ホテル様のご厚意で、ロビーに入ってお祝いのミニパーティーを開いたのだった。
外に出るとそこは雨のそぼふる幽玄の世界が広がっていた。
雨の中、牛たちはのんびり草を食んでいた。
我々は牧柵を目印に焼山沢を目指して下山する。
下山後武石にある
「武石温泉・うつくしの湯」で汗を流し、冷えた体を温めて帰途に就いた。

百名山を完登することは「言うは易く行うは難し」
体力、気力が充実していることが大事だが、その他に仕事の都合、家庭の事情、親戚、隣保の付き合いなど、あらゆる障害物を乗り越えなければならず、誰でも簡単に成し遂げられるものではない。
今回達成した舩津さんをはじめ、百名山達成の皆様に拍手喝采を送ります。
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