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黒檜山(くろべいやま)南アルプス(途中敗退)

期  日 2018年6月4日.5日(月・火)
参加者 椛澤単独
タイム ;4日 自宅2:15-三峰川林道ゲート前6:00~7:00-大曲ゲート8:50~9:00-大黒沢出合9:10-バイク乗り捨て9:20-熊沢出合10:50
      5日 熊沢出合5:10-大黒沢7:00-大曲ゲート7:20-三峰川林道ゲート8:20~10:00 
         高遠町内「春日医院」12:00=自宅20:50

4日;最初にお断りしておくが、表題の黒檜山へは登っていない事を書いておく。
   それは体調不良のためである。

昨夜のうちに山の用意は全て完了し、朝起きたら車に乗って出発するのみ。
目が覚めたらまだ午前2時だったが、良く寝見れたし目もぱっちり覚めたので出発することにした。
何しろ今日は林道歩きが30km近くあるのだから。
白樺湖の大門峠を過ぎて下りになったら、南アルプスの甲斐駒や鋸岳が筋の様に残った残雪を引いて美しく佇んでいた。
高遠を過ぎ、美和湖を過ぎて県道に入ると、人家の終わった先に三峰川(みぶがわ)林道のゲートがシッカリ通せんぼをしていた。写真はゲートの内側から外側を見たもの。
人が入って居る事は、そこに停めてある車を見れば一目瞭然である。
では、私はどの様にしてここを通過するか?。勿論歩くなら何の問題も無く通れるが、出来れば車に積んできたバイクを通過させたいのであった。
おりしも作業に従事すると言う軽トラのお兄さんが来たので「一緒に通らせて下さい」とのお願いにそれはダメでしょう、と却下されてしまった。
時間ばかり経ってしまい、良い考えが浮かばない。
そこでドラえもんの「どこでもドア」を使ってすり抜けることにした。
えい!とばかりに掛け声を上げてすり抜けたバイク。
実際の距離を計測したくて、メーターを確認してテント泊の重いリュックを背負って出発。
しばらく舗装道路が続き、快適に飛ばすと三峰川第二発電所があり、此処までで舗装は終わり、ダートの林道となった。
それでも鼻歌交じりにグングン行ったら、曲がり角をの丸山橋を渡らずに真っすぐに行ってしまい、どうもおかしいのでGPSで確認。
丸山谷に入ってしまったらしい。
橋まで引き返してゆくと大曲のゲートに着いた。ここもしっかりゲートに施錠され豚のはい出る隙間は無かった。時間に余裕が出来たので、ここでは急ぐことも無く、誰か来るのを待とうとしたりした。
でも一向に誰の来る気配も無く、時間だけが過ぎ去って行く。
一番左側に弱点を見つけて、あの岩を乗越せば行ける、と判断してそこから通ることが出来た。しかしそこは行くには大丈夫だが、帰りは通れない高い段差があるので、何とかなるさ~。
大曲まで丁度20km。
歩けば最低でも6時間はかかるだろうか。
未だ午前9時だから順調である。
ゲートを過ぎ直ぐに巫女渕の霊泉 延命水に着いた。
岩の間から浸みだしてくる冷たい水、早速飲んでみると、成る程元気が出るほど美味しかった。
更に行くと塩見新道、大黒沢登山口に到着。
テントが3張、自転車も3台。ここにテントを張ったのだから塩見岳方面に登ったのだろうか?
欄干には橋の名前が付けて有るので分かりやすい。
今までは南下していたがここからは向きを180度変えて北上ルートとなる。
少し行くとテントが2張有った。留守の様なので、私が明日登ろうとしている黒檜山に登っているのだろうか?。
此処までの距離は27km。
この先は崩落していてバイクは無理の様なので、バイクは此処に乗り捨てて、残り約4kmは歩くことにした。
すると、先程のテントの持ち主だろうか?自転車が2台放置されていた。
電動自転車の様である。
成る程!この手が有ったか!
でもこの小さなバッテリーでは長くは持たないかも。
歩き始めると周りの景色も見えだして気持ち良い。
おや?あのピークは???もしかして黒檜山かな?
もう登った気分で嬉しくなった。
発電所の取水口が有った。
ここで取水した水が先程通った発電所に行っているのだろう。
シッカリした設備で電線も有ったが、どこから引いているのか不明だった。
この取水口の先が熊沢出合、そこはとても広く整地された場所でテントを張るのには丁度良かった。
未だお昼にもならない早い時間だった。
地形図を見るとここから発電所に向かって山道が通っている。
果たして道は有るのかな?と偵察してみると、林道が通って居そうだったが、その先は分からない。
また明日の取り付きは何処の辺りが良いだろうか?と眺めてみれば、かなりの急傾斜で、どこでも登れるわけでは無い事は分かった。
大体の目星をつけて、取り合えず昼寝をする事にした。

夕方、なんとなく悪心があり、食欲が無い、水さえ飲みたくない気持ちになったがそのまま安定剤を飲んで寝てしまった。
5日;未明から鹿の鳴き声で起こされた。
良く寝たので寝不足感は無かった。しかし食欲は無いどころか気持ち悪かった。嘔吐しても一向に改善しない。
そんな訳で、せっかくここまで来たのに黒檜山へのアタックは止めて下山することに決めた。張り綱用の石が残っただけのテント撤収地。
三峰川から下流を観たところ。
先の左側が熊沢の合流地点。三峰川は右えとカーブする。
バイクを拾って大黒沢出合まで来ると、先日のテントや自転車は無かった。
大曲のゲート。
さて、ここをどうしようか?。
人が通れるだけのスペースは有った。

30分位思案していると、折良く作業する人が来て開けてくれた。

体調が悪いのにバイクを持ち上げる力は残っていない。
助かったー。
下って行くところ、丸山橋。
昨日曲がり損ねて真っ直ぐ進んでしまったところだ。
発電所から奥に向かう方向、上流に向かってここを右折しなければならない、肝心な箇所。
三峰川林道入口のゲートへやっとの思いで到着。
しかし、どうやってこの頑丈なゲートを超えようか。近くで農作業をしていた人が居たので、もしかしてカギ番の人かも?の微かな期待を込めて来てみたが、どうにもならなかった。

もう何十回となく嘔吐の繰り返し。出る物は何もなく無色透明の胃液だけがちょっと出るだけ。

此処へ到着する少し前に作業員の車に数台行き会ったので、もう一台位来るとタカをくくって待っていたが、30分経っても1時間たっても来なかった。このまま夕方まで待つのは時間がもったいない。
そこで用意してきたスパナでハンドルとステップを外し、ゲートの下の隙間から引きずり出すことにした。
かろうじて何とか出すことが出来た。
車のトリップメーターを見ると自宅から244.5kmだった。
これから真っ直ぐ帰れば4時間も有れば十分だが、途中高遠でお医者さんに寄って診て貰った。
取り敢えず点滴を受け、薬をもらって帰途に就く。病名は不明。
体調は一向に改善されず、少し走っては止まりの繰り返し。
ゲートから自宅まで11時間かかってしまった。
翌日、体調は戻らず市内のお医者で診て貰ったがやはり病名は告げられなかった。
しかし翌々日になってお粥が喉を通るようになった。
その後の回復は早かった。

最初にお断りしたように表題の黒檜山には一歩も踏み入れていないので、これをご覧いただいた皆様には申し訳ありません。
ご容赦ください。
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