六道の辻ー姥子峠(赤城山)

期  日  2020年5月20日(水)
参加者  単独
タイム  六道の辻11:20-蟻の戸渡12:00-六道の辻12:20-姥子峠13:30-六道の辻14:25

六道の辻と言う名前を意識したのはつい最近の事である。
会員のM子さんが言ったのだった。
その時は六つの道が交差する道、位にしか思わなかったが、気になって調べるうちに怖い話が有ることが分かった。
実際ここには教育遭対部長のとき、此処の周辺で地図読み講習会を行っていたのである。
「六道」とは仏教で言う地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人道、天道の六種の冥界をいい、人は因果応報により、死後はこの六道を輪廻転生すると言う。この六道の分岐点で、この世とあの世の境の辻が、古来より冥界の入り口だそうな。
そう、この世とあの世の分かれ道が六道の辻。京都には六道珍皇寺というお寺が有り小野篁(おののたかむら)の不思議な伝説が有るらしい。
車を停めて歩く準備をしていると、さわさわと風も無いのに葉音がして、真昼だと言うのに、辺りが急に薄暗くなってきた。
あな恐ろしや、祟りが無ければ良いが。

因みに赤い帽子を被った石像は六角に成っていて各面に仏さまが彫られ、下に文字が刻まれている。
古い地図によると姥子峠とは反対に行くと穴山と言う名の山があり、その先には蟻の戸渡と言う地名が有った。
そこで私は先ず蟻の戸渡に行って見る事にした。
穴山には山頂標識も無く何の変哲もないところだった。更に行くと不思議なことに道は踏み跡がしっかり付いていた。
折しもミツバツツジの見頃であちこちに沢山咲いていた。
ヤマツツジも見ごろだった。
此処が蟻の戸渡?。
まだ先かと行って見たが平坦になるだけ、矢張りこの辺りを言うのらしい。
岩場の険しいところを想像していただけに、拍子抜けであった。
引き返す途中ジュウニヒトエが咲いていた。
六道の辻まで戻ると相変わらず車は一台だけだった。
「赤城の神」今井善一郎著、煥乎堂発行を先日手に入れた。
その中に
「私の住む勢多の西部から赤城にへ登りますと蟻の戸渡と言う処が有ります、これは馬の背の様な両面傾斜の山の峯を渡る一筋の道で、むしろ修験者などの修行を思い出させる地名です。更につづいて六道の辻が有り、今も石積みの習慣が有ります。そこから姥子坂、これは坂の上に、ソウヅカの婆様の石像が有りますので、このオバコのいる坂なので姥子坂と言うのが分かります。」

これを読んだ私はソウヅカの意味が分からないので調べると三途の川が語源の様ですが、他にも説はいろいろあります。脱衣婆の事は皆さんご存じでしょうが、姥子坂の上に脱衣婆の石像が有ると言うのはとても興味深い。
期待しながら姥子峠を目指して行く。
道はどこも踏み跡がしっかりしていた。
ズミの花が綺麗だった。
同じような雰囲気のところを行き、最後はそれなりに急な姥子坂を登る。
しかし、ソウヅカ婆の石像は何処にも見当たらなかった。
坂を登り上げて少しで姥子峠に到着。
辺りを見つけたが石像は無かった。
残念な気持ちで六道の辻へ帰ってきた。
またもや薄暗くなってきて、気持ち悪いので早々に退却したのだった。
後日更に探索したいと思った。
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